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Posted by TI-DA at

2007年02月17日

錆の作り方

漆の工程はとても多くて複雑。

あれっ、次なにすればいいんだっけ?とか錆ってどうやるんだっけ?下地って??
とすぐに忘れてしまいます。

なので、ここで記録することにしました。
E-5のメンバーさんも忘れた時には参考にしてください。


今日は【錆(さび)の作り方】です。

◆錆をつかう場面は?? → → 下地。

たとえば、
 ・布着せした後(下地漆の前)に薄く塗る
 ・下地の最後に塗る



ガラス板の上で砥の粉を細かく潰す。
ビンや湯のみを利用して。


潰した砥の粉に少量の水を混ぜてよく練る。
粒子を潰し、滑らかになるように。


生漆を少しずつ加えながらヘラで混ぜる。
木漆と②の分量は約1:1。


ヘラで更に潰すように練り混ぜていく。
滑らかになり艶が出てくる。



出来上がり。
かたさは角が立つ程度。

時間が経つと漆がチョコレート色に変化してきます。おいしそうですニコニコ
そのまま放置すると固まるので
使っている最中でも全体をこまめにヘラで練り直しながら使います。
↑これを漆をイジメルと云います。  


Posted by 忠左衛門 at 11:09Comments(0)漆 製作工程

2007年02月15日

白漆を作る



昨日は白の漆を作りました。
白の漆は傷みやすいので使う分だけの少量を作ります。
特に沖縄の気候では傷み易い(固まらなくなる)そうです。

先ず、白の顔料と木地呂(きじろ)漆をほぼ同量ガラス板の上に出し、ヘラで混ぜ合わせます。
色漆を作るときには基本的には顔料と漆の配分は1:1。
ただし白の場合は顔料をやや多めに入れたほうが良いです。
(漆の茶色が勝ってベージュ色になってしまう為)

次に、湯飲みなど適度な大きさの筒状のもので顔料の粒子を潰すように練りこんでいきます。
(写真ではガラス瓶を使っています)
約20分ひたすら力を入れて混ぜます。体力勝負!
しばらくすると滑らかになって艶が出てきます。

茶碗等にいれ、サランラップで密封して1日寝かせて出来上がり。

赤などは混ざりやすいので作ってすぐ使っても良いけれど、
白は混ざりにくいので一日置いた方が安心です。

白の漆は漆が混ざっているので単体で見るとベージュがかっていますが、
黒や赤の漆の上に白漆がのると不思議ときれいな白に見えます。  


Posted by 忠左衛門 at 08:30Comments(0)漆 製作工程

2007年02月08日

砥石を直す

漆塗りで塗りと同じくらい大切な作業が
研ぎです。

以前は、漆塗りって単純に漆を塗るだけかと思っていました・・・びっくり!

その研ぎに必要なのが砥石。

真っ直ぐな面を作るには砥石が真っ直ぐでなければ出来ません。


そのため、作業の前後にはこのように荒めのサンドペーパーを貼り付けた板にのせて砥石を直します。
目の細かい砥石は、サンドペーパーでなく、それより少し荒めの砥石で直します。

楕円形に黒っぽくなっているところが磨り減ってしまったところ。
これがなくなるまで削っていきます。

こまめに直していないと、凹みが大きくなり余計に労力がかかってしまうので面倒でも毎回直したほうがいいのです。
(とは、わかっているのだが面倒くさくてさぼりがち・・・がーん。)  


Posted by 忠左衛門 at 07:48Comments(0)道具

2007年02月06日

3月の予定

3月のE-5は今月と同じく、毎週水、金になります。

3月7、14、21、28日の水曜日は先生がいます。

3月2、9、16、23、30日の金曜日は自主制作の日です。

浦添美術館の実習室をお借りしています。

漆塗りってどんな風につくるんだろう?と興味のある方、
お気軽にお問い合わせくださいメール  


Posted by 忠左衛門 at 08:38Comments(0)お知らせ

2007年02月02日

ウクレレ

こちらは製作途中のウクレレです。
Gさんの作品。

以前に紹介したウクレレは脱乾漆技法を使っていましたが
これは、木で作ったウクレレに漆を塗っています。

この後、漆を塗り重ねて仕上げます。
完成したらまた紹介するのでお楽しみに。


このウクレレは丸っこくてカワイイかたち。
今まで知らなかったけれど
ウクレレっていろんな形があるんですね音符オレンジ  


Posted by 忠左衛門 at 17:01Comments(0)漆作品

2007年02月01日

サランラップ

漆塗りの作業をするときに忘れてはいけない重要な道具の一つがサランラップです。
使いかけの漆が乾かないようにサランラップでピッチリ空気を遮断して保存します。
サランラップがない時代には、油紙を使っていました。
いまでも油紙を使っているかたもいます。


クレラップやリードなど他のものは絶対ダメです。
これらはポリエチレンを使っているので環境にやさしい素材ですが、漆の保存には適していません。
間違えて使うと漆が固まってしまって無駄にしてしまいます。
(漆は高いので少しでも無駄にはできませんから)
サランラップはポリ塩化ビニリデンを使っているので酸素や湿度を通しにくくなっています。

環境問題の影響でもしサランラップが素材を変えたりしたら
漆業界は困りますね。

サランラップの詳しい成分などは→こちら  


Posted by 忠左衛門 at 11:02Comments(0)道具

2007年01月30日

色漆つくり


これは赤の色漆を作っているところです。
木地呂漆という茶透明の漆に顔料を混ぜて作ります。
細かい粉の顔料に少しずつ漆を足して、顔料をすりつぶすように混ぜていきます。
右端の写真で黒く見えるのが漆です。
ちょうどプリンのカラメルみたいな感じの色です。

今回は機械を使っていますが、
少量の場合にはガラス板とビンを使って手で混ぜます。

よく混ざったら和紙で越してから使います。  


Posted by 忠左衛門 at 08:00Comments(0)漆 製作工程

2007年01月26日

いい香り~

時折、漆の作業をしていると美味しそうな香りが漂ってきます。
今日はムーチーの日ですが、ムーチーを作っているのではありません。

漆の下地に使う「のり」を作っているところです。
材料は上新粉。水に溶いてちょうどいい固さになるまで熱しながら練っていきます。

この後、冷ました「のり」に漆などを混ぜると下地漆になります。

お昼前にこの作業をしていると、おなかがぐぅぐぅ~。
お砂糖をいれてぺろりと食べてしまいたい気分になります。  


Posted by 忠左衛門 at 09:37Comments(0)

2007年01月24日

陶胎漆器(とうたいしっき)

表裏
漆は木に塗るものが主流ですが、ほかにも色々な物に塗ることが出来ます。
これは、素焼の陶器に漆を塗ったお皿です。

もともと漆を塗られた状態で購入したお皿ですが、
使い込んでいるうちにところどころはげてきたので
自分で塗りなおして見ました。

木の器だと電子レンジ、食洗器が使えないけれど
これは陶器なので大丈夫みたいです。
ほんとうは丁寧に扱ったほうが良いのでしょうが
私は漆器も普段使いにガシガシ使いたいと思っているので
実験を兼ねて手荒に使ってみています。


塗りなおして使い続けられるのも漆器の魅力ですね。  


Posted by 忠左衛門 at 07:31Comments(0)漆作品

2007年01月22日

漆の縮み

漆は乾くのに適度な湿度が必要です。
湿気があると乾くって??
初めは分かりにくいのですが、空気中の水分と結びつくことによってうるしは固まるそうなのです。
なので、洗濯物がカラッと乾く乾燥した日には漆は乾きません。
その為、わざわざ湿らせた室に入れます。

沖縄は、湿気があり温暖な気候が漆には大変適しているのですが、
梅雨時など湿気が多すぎるときには要注意です。

仕上げ時など、厚塗りをする場合には、表面だけ早く乾きすぎて縮んでしまいます。
(表面が波打った状態)。

ここのところ沖縄は雨続きでかなり湿度が高かったのに
早く仕上げてしまいたい焦りで塗ってしまいましたガ-ン
やはり縮んでいます・・・。
これをやってしまうと
今までの作業が
「ゼロに戻ってしまうのではなく、マイナスになってしまうんだよ」
と何度も先生に言われているのに~。

まだまだ修行が足りないな・・・。
  


Posted by 忠左衛門 at 17:20Comments(0)

2007年01月19日

木地呂塗り三線


私の作品です。
棹に木地呂塗りをしました。沖縄ではスンチ塗りと言います。
木地呂塗りとは木地が透けて見えるように透明の漆を塗ったものです。
透明といっても漆の色があるので茶色です。

時とともに透明の茶色が薄くなっていき、木目が美しく透けてくるそうです。

棹の形を砥石で削って整え、漆を塗っては研ぎ、塗っては研ぎの繰り返し。
とても時間と手間がかかった作品でしたが、
直線と曲線の組み合わせであり、左右対称、形がごまかせないものなので
漆塗りにはいかに「研ぎ」が大切であるかを教えてくれた作品です。  


Posted by 忠左衛門 at 13:00Comments(0)漆作品

2007年01月18日

脱乾漆のウクレレ

こちらは、サークルメンバーの作品で
ボディ部分を脱乾漆という技法で作った
ウクレレです。

脱乾漆というのは、型に漆や麻布を貼り、乾燥したら型を抜いて漆だけを残す技法です。

堅牢で軽く、狂いも出ないので天平時代から仏像などを作るのに使われてきたのだそうです。

私は音のことは分からないのだけれど
ウクレレの先生に弾いてもらったところ、響いていい音が出るそうです。
これで奏でるハワイアン 
聴いてみたいな~音符オレンジ  


Posted by 忠左衛門 at 13:29Comments(2)漆作品

2007年01月17日

2月の予定

2月のE-5は水、金になります。
2月7,14,21,28日の水曜日10:00~17:00 
2月2,9,16,23日の金曜日10:00~17:00

水曜日は先生にアドバイスをしてもらいながら各自の作品を作っています。
金曜日は先生なしで各々の作品製作を進めます。  


Posted by 忠左衛門 at 07:24Comments(0)お知らせ

2007年01月16日

オリジナルのカラクイ

S先生、オリジナルのカラクイです。
ゆし木の芯の部分を使っているので堅く、木の色もきれいなので、摺り漆にしました。
シンプルな形がいいですね~。

このカラクイは販売しています。
欲しいかたはメールにてお問い合わせください。  


Posted by 忠左衛門 at 09:00Comments(0)漆作品

2007年01月15日

重箱の製作工程1

私の今年一作目は、重箱の塗りに挑戦しています。
漆塗りは、工程が多くて手間がかかるものですが、その分作り上げていく楽しみもあります。
製作工程を簡単に紹介してみます。

沖縄に古くからある八寸重箱の木地。
正方形ではありません。
正面から見たときに、正方形だと遠近法による眼の錯覚で
横幅の方が広く見えてしまうのを修正する為、縦方向にほんの少しだけ長くなっているのだという説もあります。

蓋は沖縄ならではの素材、デイゴで作られています。



木固め
生漆を塗って木地を強くします。
木に思いっきり漆を吸わせることで防水効果と木が強固になります。



こくそ埋め

木が組合った角など、後々狂いが出てずれないように、少し彫り、刻そ(漆と木粉等を混ぜたもの)を埋める。



布着せ

木地を更に強くする為に、麻布を貼る。
下地漆(上新粉で作ったのりと生漆を混ぜたもの)を塗って麻布を貼り、その上から下地漆をまた塗ってしっかり定着させる。


布着せが乾いてから、軽く研いだところ。

錆(さび)付け
生漆に砥の粉を混ぜたもの(錆)を薄く塗る。


今のところここまでです。続きはまた後日。  


Posted by 忠左衛門 at 08:28Comments(0)漆 製作工程

2007年01月13日

根来塗りの三線

こちらはHさん作の三線棹。

昨日の曙塗りとは逆バージョンの技法で
黒の上に赤を塗り、所々研ぎ出した根来塗りです。

Hさんは、塗りだけでなく、
棹つくりからやってしまうスーパーにぃにぃです。
(たま~におじぃとも呼ばれてしまうけど

この他にも三線棹を10本弱、ウクレレを数個仕上げています。
スーパーHにぃにぃは数をこなしているだけあって
腕をどんどん上げています。

私たちも置いていかれないように頑張らなくては!!  


Posted by 忠左衛門 at 09:00Comments(0)漆作品

2007年01月12日

曙塗りの三線

こちらは私たちサークルの親分、
S先生の作品。

曙塗り(あけぼのぬり)という塗りで仕上げた作品です。

曙塗りとは、赤を塗った上に黒を塗り、
部分的に下の赤を研ぎ出して見せる技法。



この赤を研ぎ出すバランスがなかなか難しいのです。
あまりくっきり出すと研ぎ破り(失敗)のように見えてしまうし、
意図的に研ぎだしつつ、自然に見えるようにするには鍛錬が必要です。

先生の作る三線はこのほかにも何本か見せてもらいましたが、
全て日本産の本漆を使っているそうでとても上品な艶があります。

今、お店で売られている三線は、漆塗りと書かれていても人工塗料が塗られているものが殆どなのだそうです。

それだけを見ていたら分からないかもしれないけれど
本物の漆塗りと比べてみると違いは明らかで、
やはり本漆は見た目に美しく、感触も柔らかく手に馴染みます。

そして先生の三線はエッジがきりっと効いていてカッコいいんですね。
大量生産されている三線の棹はこのエッジが丸まってしまっています。

沖縄の三線は、日本の刀のような存在だと聞いた事があります。
日本刀を床の間に飾るように、沖縄では床の間に三線を置きます。

そんな三線がぼやっとしたカタチだと残念です。
今にも音が鳴りそうなピンと張り詰めた空気と上品さを醸し出せたら最高だと思います。

私たちも先生の三線を目標に各々の三線を作っています。
なかなか思うようには出来ませんが、
今ある力を振り絞って仕上げた作品が出来つつあるので順次紹介していきたいと思います。  


Posted by 忠左衛門 at 08:53Comments(2)漆作品

2007年01月10日

1月の予定

明けましておめでとうございます。鏡餅

今年のE-5の予定です。
1月11日 10:00~17:00
1月18日 10:00~14:00
1月25日 10:00~17:00

浦添美術館の実習室をお借りして活動しています。
興味のある方はお気軽に見学にいらしてください。  


Posted by 忠左衛門 at 17:05Comments(0)お知らせ

2006年12月19日

摺り漆の茶筒

茶筒摺り漆で塗った茶筒です。
木肌を生かしたいときにはこの技法が向いています。

生漆を脱脂綿につけて木地に摺り、
すぐに布かティッシュで拭き取ります。

乾いたらまた同じ作業をして、
10回ほど繰り返すと艶が出て
いい色合いになってきます。
漆を摺っては拭き取るので、「摺り漆」とも「拭き漆」ともいわれます。

木地
←これは塗る前の木地の状態。

今回は外側のみ摺り漆、
内側は木地のままに仕上げるので
境目が汚れないように
小麦粉を水で練ったものを貼り付けて
マスキングしています。


完成
完成。

拭き漆は、漆の中では一番気軽に始められる技法だと思います。

身のまわりに木のお皿や小物があったら塗って見ませんか?
美しく生まれ変わりますよ!  


Posted by 忠左衛門 at 14:00Comments(0)漆作品

2006年12月18日

漆のコサージュ

沖縄も、昨日から急に寒くなってきました。
12月半ばを過ぎてやっとセーターを引っぱり出しました。
今頃、セーターを出しているなんて寒い地方の人に比べたら幸せですね。

先日、思いつきでこんなコサージュを作ってみました。ほとんどが廃品利用です。

花びらに使った和紙は漆の濾紙です。

漆塗りをするときには、
この紙で濾した漆を使います。

使用後には捨ててしまうものですが、
漆が染込んだ紙はきれいで何かに使えないかな~ととってあったものです。

麻は下地作りで使った切れ端。
所々に漆の茶色がついているのがいい味わいになっています。

漆塗りは根気のいる作業が多いのだけれど、
たまにはこんな気軽な作品つくりも楽しいです。  


Posted by 忠左衛門 at 15:00Comments(0)漆作品